瀬戸内国際芸術祭2013
“MILE-POST”

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MILE-POSTとは


瀬戸内国際芸術祭2013年の小豆島・坂手で企画された「ei STUDIO」プロジェクト(UMA/design farmの原田祐馬さん・MUESUMの多田智美さんの両チームによる共同プロジェクト)の一環でovaqeが滞在作家として制作したWEB&インスタレーション。
ovaqe以外にも10組のクリエイターらが国内外からコーディネートされ、各々が滞在する中で関係性を築き上げ、自身の力だけではなく、この小豆島の関係性を折り込み作品として島に残した。

「観光から関係へ」という小豆島が掲げたテーマを土台にovaqeは、滞在する中で自然と出会う人たちの「思い出の場所」と「物語」を収集した。
出会いの中で深まる関係性で私たちと島の人々の間に共有される過去の記憶を限られたヒントでフィールドサーチし、宝探しのように彼ら・彼女たちの思い出にアクセスしログを残し続けた。

収集された場所(GPS)と物語(log)は、滞在中に常時WEBサイトへ反映され、観光地図ではなく「関係性の地図」が出来上がっていった。

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作品より、その瞬間。


このプロジェクトは私たちに大きいフィードバックをもたらすこととなった。
滞在2日目にして、大きな軌道修正を図った。100人の物語を収集することを目的にスタートしたプロジェクトだったが、関係性が気づけないまま「思い出」引き出す行為に違和感を感じ、滞在チームで話し合い作品のアーカイブ数より、会話する瞬間を一番大切にしよう、と方針を変更しました。
普段、商業ベースでの速度感でものを作る自分たちの足並みを整えた瞬間でした。

出会って、会話をして、何か手伝えることがあれば手伝い、夜は波の音を聞きながら酒を飲み交わす。
そんなことを繰り返すと、ある時ポロっと思い出をこぼしてくれる。
そこで語られる物語をノートにメモし、翌日その場所を探しに出かける。
見つけたランドスケープを記録し、本人に見せる。
すると、表情がほころぶ。その人の大切な場所だから。

私たちは、作品の分厚さではなく、一つ一つの物語・関係性の濃度を高めることにスイッチしたことで、
彼らの物語がまるで自分たちの一部のようなログを収集することができた。
物語を提供してくれた人のポートレートと、その場所のランドスケープフォトをサイトでは閲覧することができる。

>> MILE-POST / http://mile-post.org/

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なんでもない場所も、誰かの大切な場所


私たちがこのインスタレーションを通じて伝えたかったことは、普段ただ過ぎ去っている場所ですら、誰かの大切な場所である可能性がある。という点です。
地図にも載っていない道の先の展望台。海を見下ろすように立つ木の木陰。夕日が差し込む今は使われていない教室。
幼い頃遊んだ寺の境内。父親がウインドサーフィンするのを眺めた浜辺。
観光マップで記号としてマークされる温度感のない地図ではなく、物語とその人を紐付けることで温度感ある関係性の地図を作りました。
このサイトを見て、小豆島に来ました。という方も多くいらっしゃったと連絡を受けています。

滞在制作の空気もさらけ出す。


この滞在制作は随時Tumblrに更新されていきました。
制作においてアウトプットばかりが世の中に出て行きますが、このプロジェクトはプロセスを重視しているため、できるだけ全てをさらけ出しています。
オバケは仕事してるの?と突っ込まれつつも、僕らが楽しんでることが小豆島の魅力を伝えることができていればと思って続けていました。

>> MILE-POST TUMBLR

MILE-POSTのそれから。


この滞在から毎年必ず小豆島へ行くようになったオバケメンバー。
僕らがお世話になっている坂手の皆さんは、オバケが来たぞと一升瓶を抱えて遊びに来てくれます。
なんの縁のなかった場所が、今や僕らにとって大切な場所になっている。
プロジェクトを始めたときには想像もしないほど、僕ら自身と小豆島に物語が生まれ、この関係性そのものがMILE-POSTの一つの意味でもあると滞在後、実感しています。
ぜひ、島でお会いしましょう。オバケはこの滞在で小豆島を5周してるので、どこへだって案内できますよ。